• 2018年12月10日23:53:15更新

着物で色彩豊かな日常を呼び込む♡シーラ・クリフ写真集の出版記念イベントレポ

着物研究家シーラ・クリフさんの初の写真集『SHEILA KIMONO STYLE』の発売を記念したイベントレポをお届け!着物作家の重宗玉緒さんや、写真家のタッド・フォングさんも交えてシーラさんの着物に対する思いや、撮影秘話をたっぷり教えていただきました!

シーラさんの出版記念イベントに密着!

2018年10月25日に発売されたシーラ・クリフさん初の写真集『SHEILA KIMONO STYLE』。それを記念して、先日トークイベントが開催されました!シーラさんのファッショナブルな着物の着こなしに魅了されたファンも集う中、メインとなる重宗玉緒さんとの対談や、タッド・フォングさんとの撮影裏話などを披露。その他にも、ファッションショーやプチ交流会も開かれ、和気あいあいとした和やかなイベントとなりました。今回は、その模様の一部をお届けします!

シーラ・クリフさんとは?

イギリス出身のシーラ・クリフさんは、大学で教鞭を取ったり、さまざまな企画をプロデュースしたりと、多方面で精力的に活躍している着物研究家。伝統文化としての着物を尊重し踏襲しながらも、枠にとらわれない自由な発想で新たな着物の楽しみ方を提案し、注目を集めています。

着物のカリスマ達が語る着物の楽しみ方♡

今回のイベントの目玉は、なんといってもシーラ・クリフさんと重宗玉緒さんのスペシャル対談。
重宗さんは、「メメントモリ」をテーマに、独創性にあふれた着物や帯のデザインを手掛けている着物作家。まるでアート作品を見ているかのようなビビッドな色彩とインパクトのある柄行が特徴で、多くの着物ラバーたちから熱い支持を得ています。

ここでは司会の方の質問に答える形で、着物のカリスマともいえるお二人の着物観が語られました!

着物との出会い

「着物を好きになったきっかけは?」という質問に対し、実はもともと着物ではなく、陶器に興味を持っていたと仰るシーラさん。陶器を求めて足を運んだ骨董市で着物に出会ったのが始まりなのだそう。
「元々ファッションが好きということもあり、着物の鮮やかな色柄に惹かれてしまいました。」
そして着物かと思って購入したものの、後日それは襦袢だったということが判明。
「こんなに色鮮やかで美しい下着、誰が着るの⁉」
と大きな驚きと感動を覚えたそうです。


一方の重宗さんは、学生時代に大正浪漫風のヴィンテージ着物と出会ったことがきっかけなのだそう。そのおしゃれさに惹かれ、一気に着物の虜に。本を読み漁り、すぐに着物を買いに行って早速着始めたとのこと。
「それ以来布を見れば、これは半衿にできるかも、何かに使えるかもと考えてしまうような生活になって、一時期は大学にも着物で通える日は通ってました。」
ちょうど美大でテキスタイルデザインを学んでいたこともあり、どんどん着物の道を究め、着物作家として活躍するに至っているのだそうです。

寸法や状態は気にしない⁉シーラ流の着物の選び方

さらに、お二人の着物に対する自由で豊かな発想力が垣間見れるお話も。

シーラさんは好きな柄であることが、着物を選ぶ主な基準になるのだそう。
「柄が好きだったらサイズとか状態はあまり考えないで、この子を助けよう!という想いで買う」
とのこと。
寸法はもちろん、リサイクルの場合は、生地の状態を考慮するのが一般的な着物選びですが、ここでも型にはまらないのがシーラ流。
さらに、着物を着る時もいろいろなイマジネーションを膨らませながら楽しんでいるのだそう。
「着物を見たとき思い浮かぶんです。着物の『VOGUE』だったらどんな感じになるのかなとか。」
「紬のような普段着でも、見せ方によってはハイクラスに見せられるんじゃないかなと思ったりしています」
着物から受けるイメージをシーラさんならではのアプローチで、コーディネートや写真のポージングで具現化。着物を単なる伝統衣装や普段着としてみせるだけでなく、アート作品としても昇華させているポイントはこういうところにあるのかもしれません。

着物の伝統的なしきたりはきちんと押さえつつも、決してそればかりにとらわれることなく、コーディネートを楽しんでいるシーラさん。
「礼装の時は礼装。けれどもあとは服なので、自由に使えばいいと思います」
と語ります。

重宗さんは作品を手掛ける際、どのようにインスピレーションが湧いてくるのかという質問にも答えてくださいました。
「美術館などでアート作品を見るのが好きなので見に行ってパッと画が浮かんだり、尊敬するアーティストの作品の構造を一部借りて自分なりに変えたりしています。あとはパッと思いつくことが多いです。」
また、パリコレのランウェイで披露された洋服のデザインからヒントを得た着物もあるのだそう。さまざまな分野から受ける刺激が、重宗さんのハイセンスな着物を生み出す術のひとつのようです。

コーディネートにストーリーを持たせられるのも着物の魅力

さらに、洋服よりも圧倒的に豊かな柄のバリエーションを持っている点も、着物の魅力だとシーラさんは語ります。
「珍しい柄が好き。虫だったり、人の手によって作られた建物だったり、そういう柄があるのもおもしろい。」
洋服ではモチーフになりにくい柄も、不思議なことに着物だと自然に取り入れやすいもの。そのため、コーディネートに物語性を持たせることもできます。
「帯と着物を組み合わせて、ストーリーを作るのも好き。流水の着物には船のモチーフを持ってくるとか。」
このようなオリジナリティあふれるファッションを楽しめるのも、着物ならでは。今回のシーラさんの写真集でも、このような遊び心を随所に見ることができます。

着物をおしゃれにコーディネートするコツとは?

お二人共おしゃれに着こなしている柄×柄の華やかなコーディネート。一見難しそうに思えますが、どのようにすれば上手く組み合わせることができるのでしょうか?その楽しみ方のコツも教えていただきました!


「着物に入っている色の帯を選びます」
と語るのはシーラさん。基本的には着物に入っている色から帯、さらに小物の色をチョイスして、だいたい3つか4つの色でまとめるのだそう。

一方の重宗さんは、柄でコーディネートを考えるとのこと。
「柄の大きさのバランスで決めています。なるべく似た大きさの柄同士の組み合わせは選ばないようにしています」
色は感性のままに自由に組み合わせて、柄でバランスをとるというのも上級者コーデのポイントのようです。

対談の後はミニファッションショーも開催。シーラさんの着物を使った独創性あふれるコーディネートがお披露目されました!

『SHEILA KIMONO STYLE』の撮影裏話

続いては、重宗さんに代わって写真家タッド・フォングさんに選手交代。今回発売された写真集『SHEILA KIMONO STYLE』の撮影裏話を披露してくださいました!

15ヶ月かけて75~80パターンのコーディネートを撮影したというフォングさん。
「撮影しているうちにだんだんわかってきたんですが、着物は遠くから撮っても近くで撮ってもキレイに見えます」
遠くから見ると色合いの美しさなどに惹かれ、近くで見るとその工芸的な精巧さやコーディネートの独創性を感じることができるとのこと。
さらに、今回初めて着物を撮影されたそうですが、進めていくうちに着物が好きな人は、生地や肌触りなど細かい部分にも興味を持っているということが分かってきたのだそう。
「なので、写真集の中にもディテールまで分かるようなショットがたくさんあるんです」
着物好きの心を掴む工夫もしっかり盛り込まれているので、その辺りもチェックしながらページをめくりたいですね。

また、今回は着物をデイリーライフとして楽しむというメッセージ性が詰まった写真集になっていますが、それを伝える上でポイントになったのが、ロケーションだったそうです。
「最初はお寺や神社、森といった美しい場所を選んでいましたが、意外と日常的な風景が着物とマッチしたんです」
西武池袋百貨店や六本木ミッドタウンといった商業施設の外観や、商店街の一角など、意外な場所がこの写真集のロケーションとなっています。
着物を普段着として自由に楽しむというシーラさんのコーディネートだからこそ、街になじんだ素敵なショットが撮影できるのかもしれません。

自分自身が物語の主人公になったような気持ちでポージングしたというシーラさん。
『SHEILA KIMONO STYLE』は、ファッショナブルな着物を身にまとった天真爛漫な彼女の表情を、存分に楽しめる一冊となっています。

色柄の可能性は無限大!

今回のトークイベントでもっとも印象的だったのが、シーラさんの色柄に対する考え方。
「最近は洋服も着物も無地が多くなっている。民族衣装が少なくなるにつれて、さまざまな所で模様が少なくなっている」
鮮やかな色や美しい柄は、おしゃれであるとともに人の心をときめかせ、豊かにさせるもの。
けれども、最近は洋服も街も柄が少なく、色もベーシックな色合いのものが多くなってしまっていると嘆きます。

重宗さんも「そもそも人間には装飾したいと思う性がある。」とし、人間の個性を豊かにする色柄の無限に広がる可能性を語っていらっしゃいました。

現代の私たちが生活の中で無意識に失いつつある色柄。着物はそんな私たちの心のオアシスにもなり得る存在なのかもしれません。
今回発売されたシーラさんの『SHEILA KIMONO STYLE』にも、美しく彩られたショットが満載。着物好きはもちろん、普段あまり着物を着ない方もぜひ手に取って、色柄あふれる豊かな世界観を堪能してみてはいかがでしょうか?

この記事のライター

さない ちえ

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