- 2025年5月6日22:40:13更新
黒留袖をフォーマルから解放する 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.95
「黒留袖は結婚式のときに親族が着るもの」と思い込んでいたことに反省しきりでした。小物を白にせず、コーディネートのトーンに統一感を持たせれば、もういわゆる黒留袖ではなく、ただ裾に柄があるだけの潔いデザインの黒地のきものになれるんです。
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きくちいまの、きものと

エッセイスト・イラストレーター きくち いま さん
ほぼ一年中を着物で過ごし、着物ライフの楽しさをイラストとエッセイでつづる。
執筆の他、着物や帯などのプロデュースも手がけ「着物は人生に寄り添うもの。おしゃれで楽しくて、お守りのような存在の布になれたらと願い、ものづくりをしています」と語る。
著書に「大人かわいい着物読本」(主婦と生活社)、「おとなのときめきふだん着物」(河出書房新社)、「買ってはいけない着物と着物まわり」(実業之日本社)などがあり、最新刊は「東京着物さんぽ」(GB)。山形県在住で、子3人犬1匹の母でもある
黒留袖をフォーマルから解放する 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.95

今年の一月に、あるところで新年会がありました。きものがドレスコードのその会で出会った方があまりにもすてきだったので、ここでご紹介したいと思います。
ショートヘアの女性が着ていたのは、黒地のきもの。裾だけに描かれた柄が潔く、角出しのような粋な形に結ばれた袋帯は銀と黒のウロコ柄でした。半衿も黒のウロコ柄。重ね衿はオリーブグリーンで、帯揚げは黒できらきらと光り、銀の帯留めがスタイリッシュに輝いていました。
うわぁ、すってき!おっしゃれー!と語彙力を失くしたわたしに優しく微笑んで「これ、黒留袖なんですよ」とおっしゃるではありませんか。
ええっ。よくよく見たら五つ紋がありました。えええ!?留袖!?全然気づかなかった……。黒留袖がこんなおしゃれな雰囲気になるなんて、びっくりです。
本当に圧倒されました。あれはもう完全に黒い和のドレスと言ってもよく、完璧なパーティーファッションだと感嘆のため息が出たほどです。「黒留袖は結婚式のときに親族が着るもの」と思い込んでいたことに反省しきりでした。
この記事のライター
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