• 2023年12月7日22:19:37更新

働くことは生きること 〜小説の中の着物〜 朝井まかて『残り者』

小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し、生き生きと動き出す。今宵の一冊は、朝井まかて著『残り者』。江戸城大奥、その最後の1日。誇りを持って己の仕事に邁進することを許された大切な場が失われようとするその日、5人の女が城内に残った。

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働くことは生きること 〜小説の中の着物〜 朝井まかて『残り者』「徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー」第三十一夜

今宵の一冊は、朝井まかて著『残り者』。

舞台は、江戸城大奥。
江戸幕府が瓦解し、城の明け渡しが決まった1868年4月10日、そのたった1日を追った物語です。

語呂良く、俗に“大奥3千人”などと言われ、こう聞くと煌びやかに着飾って将軍の寵を争う女たちがそれほどひしめいていたかのように錯覚しますが、さすがにそんなわけはなく。これは下働きまで含めて、大奥内で働いている女性の数がもっとも多かったときのことのようです。

将軍のお手が付く可能性があるのは、大奥にいる女性の中でも当然身分の高いほんの数名。そのひと握りの主(本作中においては、13代将軍家定の正室である天璋院篤姫、14代将軍家茂の正室である静寛院宮〈和宮〉など)のもと、さまざまに細分化された職制が確立されており、武家の子女のみならず行儀見習いのため短期間だけ勤める裕福な町人の娘もいれば、料理番や下働きには町人の中でも身分の低い女性が勤めることもあったようです。そして、何らかの事情で俗世から離れる必要のある女性も多くいたのだとか(いわゆる“駆け込み寺”的な役割もあったのですね)。

現代で言えば、社員千人を超える大企業の社員であっても、社長と直接接する機会のある秘書のような立場もあれば、所属が社長とは直接会う機会のないセクションであったり、その会社の食堂や売店で働いていたり……といった感じでしょうか。

小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し、生き生きと動き出す。

江戸城大奥、その最後の1日。誇りを持って己の仕事に邁進することを許された大切な場が失われようとするその日、5人の女が城内に残った。

それぞれの務めを果たすため、そして、それぞれのその先を生きるために…

小説をモチーフにした素敵なスタイリングのお話…
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